語り売りマルシェ@大阪駅
- tohoku-taberubu
- 2015年8月23日
- 読了時間: 4分
「なにかおもしろいことがしたい...」
そんな思いから始まった、東北食べる部語り売りマルシェ!
今まで私たちがお世話になった生産者さんの食べものや、その想いを、私たちが拡声器となって、東北とは縁遠い関西の人たちに広めよう!と、大阪駅徒歩一分グランフロント大阪1階前で、マルシェに出店させていただきました。売らせていただいた商品ラインナップです!
・青森県田子町 種子宏典さんのにんにく・黒にんにく
・秋田県仙北市 あきたいぶり美人(西宮三春さんと村岡歩さん)の燻し大根漬け
・秋田県潟上市 菊地晃生さんの玄米・米粉・麹
・岩手県大船渡市 三浦秀悦さんの塩蔵ワカメ
・宮城県東松島市 相澤太さん・津田大さんの焼き海苔
・山形県鶴岡市 小野寺紀允さん・貴紀さんのだだちゃ豆
・福島県いわき市 白石長利さんの長ねぎドレッシング



たくさんの東北食べる通信の読者さんにもお越しいただき、多くの出会いに感謝した二日間でした。
ここからは少し裏のお話です。
このマルシェ企画が始まったのは、食について、東北について、一次産業について、学んだことを何かアウトプットできる、おもしろいことがしたい。私たちは東北食べる通信などを通じて素敵な生産者さんやその食べものをたくさん知っているのに、知っているだけでは何も変わらない。
もっと多くの人たちに伝えること、それが私たちにできることかもしれない!
そこで思い出したのは、昨年の11月に高橋博之さんが話してくださった言葉。「生産者の小さな声を、その生産者の考えを自分のものとした君たちが拡声器となって伝えてほしい。」
これだ!と思いました。今まで私たちがお世話になった、生産者さんの想いを語ろう!その手段としてマルシェに出店して、食べものを売ることにしました。
私たちの語りを聞いて、感動したら買ってくれる、それを目指そうと思い、マルシェ開始直後は「東北のおいしい食べものをつくっている生産者さんの想いを語ります!語りだけでも聴きに来てください!」と呼びかけていました。
しかし、一向にお客さんは振り返ってくれません。隣では近くの農家さんが野菜を売っていて、加工品が多く並ぶ私たちのブースには客足が向かなかったのです。
そんな様子を見かねた、マルシェの運営側の方が、「売ることがメインじゃないのはわかるけど、お客さんを引きつけないと意味ないよ」と声をかけてくださいました。
たしかにそうでした。ワカメを手に取ってくださったお客さんに、「このワカメは岩手県の大船渡市で三浦さんという人が...」そう語ろうとしたら、すかさずお客さんに「日持ちはどのくらい?」と遮られてしまいました。そんなことが続いた折、私たちは方向転換することになったのです。
「たしかに今はより多く、買ってもらうことが重要かもしれない。」お客さんにかける言葉も変わりました。生産者さんのこだわりや、その食べもののことではなく、日持ちや貴重さを強調するようになりました。
二日間が終わり、成功とは言えないまでも、なんとか歩いて帰れるくらいの気力は残して終えられる結果を残すことはできました。
金銭面の計算を終え、一息ついたところで浮かんだのは悔しさでした。結局「語り売り」という当初の目的はほとんど達成されず、関西の消費者に「生産者さんの世界」を伝えることはできなかったのです。
お客さんに語りを聞いてもらう、という前提が成り立たなかった、というのは、私たちは市場の実際を知らなさすぎました。いきなり「生産者」などという言葉はハードルが高すぎたのです。
「消費社会のリアル」の一端を見ました。大成功ではなかったものの、学びはとても大きかったです。
しかし、今回の反省をどう活かせばいいのかについてははっきりとした答えがでていません。
次のステップでは、もっと違う形で、何かできないかなあと思索にふける日々です。
さき
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